この空が晴れるまで


「どした?…佳菜?」


口を手でおさえて驚いてる私を見て
麻帆が近づいてくる。



「大吾だって…」



私の目から涙が流れた。


その場にしゃがみこんだ。


麻帆は目を大きく開けて

「えぇぇ~~」

と叫んでる。




何で涙なんか流してるの?





卒業式の日・・・



「麻帆!一緒に告ろうね!」


「えぇ・・・」



「来たよ…」


「ぁっ、えっと…あはは」


「ちょ、麻帆ぉ!」


「いいのいいの。どうせあいつは
私立行くんだよ!?」


「今度佳菜いってこい!」



「うん!…大吾…!」


その日の大吾とは

いつもより目が合って、

卒業式の最中、立たなきゃいけない部分を

忘れてて、大吾と奏介が

「おい~」

って言ってくれて・・・・


それが最後の会話かなって少し悲しくなったっけ。


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