愛すれば

最後の賭け

「浅倉…ちょっといいか?」


廊下を歩いていたあたしを呼び止めたのは先生だった。


数日間、あたしは先生を避けてきた。


すごく久しぶりに会った感じがした。




呼び出されたのはいつもの保健室。

あたしが告白してフラレた保健室…。



二人きりの部屋で先生は話始めた。


「浅倉…マナとのこと…悪かった…俺がはっきり返事をしなかったのが悪かったんだな…返って浅倉を傷つけてしまったな…」

先生は申し訳なさそうにあたしに言った。


別に謝ってほしいわけじゃなぃ。



あたしが黙っていると、先生は続けて話し始めた。



「あいつ…浅倉の事ホントに好きなんだわ。だから傷つけたくなくて言い出せなかったみたいだ。俺が言うのもなんだが…仲直りしてやってくれないか?」



「…その話でわざわざ呼び出したんですか?」

あたしは冷たい言葉を投げかけた。



「浅倉…俺は浅倉が思ってるほど優しい男じゃない。」


「あたしに諦めさせようとしてるんですか?」


あたしはズルいことが頭をよぎった。

きっと先生はあたしに振り向いてくれることはない。

だったら一瞬でいい。
あたしを見てほしい…
女として…


マナよりもあたしを…




「先生、取引しよう?」
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