Powdery Snow
「休憩中」
「あんたの休憩はどんだけ長いのよ」
「こんだけ」
意味の分からない言葉に苦笑いをして何回か頷くあたし…。
ココアの缶のツメをカチッと開け冷えきった体に温かいココアを流し込む。
「なぁ…」
低い声を出す弘人をパッと見ると自分の制服をポンポン叩いていた。
「何?」
「携帯がねぇ」
「はっ?」
立ち上がって制服のポケットに手を入れては「やっぱねぇ…」と声を漏らす。
「教室じゃない?」
「違う。さっきここで触ってたし…だからちょっと俺に掛けてよ」
「えっ、何で?」
「だから言っただろ、ここで触ってたって。掛けてくれたら、この食堂内で鳴るから俺に掛けて」