Powdery Snow

そんなあたしなど、どーでもいいのか何食わぬ顔をしてミルクティーを飲むこの男。


ため息とともに目線を逸らし、あたしは自販機の横にある真っ赤なゴミ箱に缶を落とす。


カンッ−


と言う間抜けな音を耳にした後、チラッと弘人に目を向ける。


あたしに背を向けたまま左手をヒラヒラ振る年下男にイラッときた。


その背中に「バーカ」と投げ捨てた途端、数秒の沈黙もないまま弘人から声が飛んできた。


「お前に言われたくねぇよ」


ってね…。

この男はあたしを馬鹿にしてるのか!?



“もしかして好きなの?”


ふと頭の中を支配してきた絵梨佳の言葉。


いや…



ありえないから。


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