Powdery Snow

どう考えても周りから見ると喧嘩をしている恋人同士にしか思わないだろう。

傘をさして歩く人達は不思議そうにして、あたし達を見て歩く。


そんな目線も気にせず、あたしは男の腕にしがみ付く。


飛び上がるあたしの顔を見て男は口元の端を上げて微笑んだ。


「捨てるんだったら俺にちょーだい?」

「はぁ?だから捨てないってば!でも、あんたに奪われるぐらいなら捨てたほうがマシだけどね」 



そんなあたしの怒りなど無視して、男はピンクと赤の2重になったリボンを器用に解いていく。


えっ、何してんの?


「ちょ、ちょっと…」


解いたリボンはヒラヒラと雪と一緒にアスファルトに落ち、少し吹いた冷たい風にさらわれリボンは飛んでいく。



…最悪。



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