Powdery Snow
あたしがコクンと頷くと「こりゃあビンゴだね」と言って絵梨佳はあたしの背中をバシッと叩いた。
ビンゴって意味不明なんだけど…。
「ちょっと亜希借りてもいいっすか?」
弘人は周りに目を向けて口を開くと一斉にして「勿論」と声が重なって返ってきた。
そして強引にも、あたしの腕を引っ張りズカズカと教室を出て階段を駆け降りていく。
この訳の分からない行動に、あたしの頭の中は白紙状態で、何が起こっているのかが分からなかった。
一向に手を離しもせずに足を進めて行く弘人に「ちょっと!!」と声を上げる。
そんなあたしの声も無視して足を進めていくこの男にイラッときた。