Powdery Snow

人気は少ない一階の渡り廊下に着くと、弘人はあたしの掴んでいた腕を離した。


あたしはその掴まれていた腕を反対側の手で擦りながら弘人を睨みつける。 


壁も何もない渡り廊下は、冷たい風が吹き付けあたしの身体を更に冷やしていく。 


無言で睨み付けるあたしに弘人は乱暴に髪を掻き小さくため息をつき両手をポケットに突っ込んだ。



「お前、何で怒ってんの?」 


ため息混じりで吐かれた声は、決して怒りなどではなかった。


だけど、あたしは…



「何でって急に教室まで来て強引にこんな所まで連れてきて怒るのあたり前じゃん」 


冷たい風から身を守るように両手で自分の身体を抱き締め勢いよく声を上げる。


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