Powdery Snow
その声に弘人はスッと眉を寄せ口を開いた。
「ちげぇよ。今じゃねぇよ!最近お前、俺見てはすぐに睨むし電話だって全然でねぇじゃん」
弘人から返ってきた言葉に「えっ…」と言葉が詰まり"そっちなの?”と問いただしたくなった。
「で、何で怒ってんだよ」
その口調は至って平然だった。全然、怒りと言う文字すら入ってないかのように滑らかにあたしの耳に滑り込んできた。
ただ“怒ってる”と言う言葉に、ついムカッとした自分がいた。
別に怒ってるわけじゃない。
ただ女とイチャついてんのに、あたしに関わってほしくないだけだ。
まぁ、それが怒ってると言う意味なのかも知れないけど。
「怒ってないよ!」