Powdery Snow

「顔に〝好き″って書いてある」

そんなありえない事なのに、あたしは自分でも目が泳いでいるのが分かった。

それを隠そうと目線を逸らしフォークに巻かれたパスタを口に入れる。口の中に入ったパスタがみるみる内に喉の奥に入り込み、あたしは次の言葉を探していた。


好きって何?
好きって何なの?

フォークに絡まっていくパスタを見ながら、あたしは唇を動かした。


「そんなわけないよ。だってあたしは…」

「年下は好きじゃないし、それに会ってまだ一週間だし、そんな早くに好きになるわけがない」


“でしょ?”

そう付け加えて、あたしが言おうとしていた言葉を絵梨佳は最後までスラスラと答えていった。

そして絵梨佳は口を開く…

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