White Kiss~恋を知るまでの期間~
【嫌や、私はここから動かへん。雄太が見つけて。それが嫌やったら帰ってええから】
【絶対探す。6時までには絶対見つける】
そう言うと、勝手に電話を切った
6時まで後5分
見つけられるはず無いやんという諦めの気持ちと見つけてくれるだろうと言う期待の気持ちでいっぱいやった
『トン』
肩がぶつかりそうになって避けようとしていたら…
『クイッ』
いきなり手首を引っ張られ、誰かの胸にぶつかる
「何!?」
クリスマスソングが流れて
「「「わぁ~!!」」」
歓声が上がった
なぜ歓声が上がったかわからなかった
私の目の前にはアイツのジャケット
クリスマスソングが流れていた筈なのに、聞こえているのはアイツの鼓動
昔に比べると大きくなったアイツの手が私の頭を撫で付ける
昔に比べると高くなった背が、逞しくなった身体が私を包む
そして、今私がしてるマフラーの匂いに満たされる