White Kiss~恋を知るまでの期間~


「美那、俺はずっとお前が好きやった」


それだけ言って、「じゃぁな」って!


「雄太のあほ!なんで言い逃げするん。ずるいやん。なんで私の話聞かへんの?

嫌いやったら抱きしめられても、手を繋がれても振り払うわ。やけど、心地よかってん。雄太の鼓動とか息遣いとか身体の感触とか!

10年前も今の雄太も好きや!なんでこんなん言わすんよ!」



目からは涙が溢れてきた


瞼を落とすと、目元に柔らかい感触が落ちてきた


ビックリして涙が止まる


「ほら、涙止まったやろ?」


にこやかに微笑む雄太を見ながら顔が熱くなる


「美那、雪が降ってきたで!」


シンシンと降ってきた雪を見ていると雄太は言う


「目、綴じといて」


素直に言う事を聞いた


唇に掠めた感覚


「えっ!」


何!?


「誕生日プレゼント。ちゃんと戴いたから、ファースト・キス」


「そんなこと言わなくても言いやん!」



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