御影の王
随分と怒らせてしまったが、それは俺の知った事ではない。

それよりも今後の方針だ。

屋上から降りた俺は、旧校舎の方へと向かう。

現在の校舎ができる前に使われていたらしく、現在は教材などを置く物置としてのみ使われているらしい。

当然滅多に人が寄り付く事はなく。

「……」

俺が『得物』を隠しておく場所としては最適だった。

旧校舎の片隅に置いておいた、布にくるまれた長物を手に取る。

これからは、常に手元に置いておいた方がよさそうだ。

何しろ乙女は俺を本気で殺る気に違いない。

奴の得物が何かは知らぬが、本気で仕掛けてくる乙女相手に、素手では流石に俺も分が悪い。

と。

「それが貴方の得物?」

背後から突然の声。

俺は。

「……!」

咄嗟に振り向き、布にくるまれたままの得物を背後の人物に突きつけた!

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