御影の王
最中。

私は意識を他へと向ける。

先程の私との対峙の途中、紅が魔槍で叩き落としたもの。

…暗いアスファルトの上に落ちたそれは。

「たわけ!意識を他所に向けるな!」

紅が叫ぶ。

暗いアスファルトの上に落ちたそれは。

「!!」

私達の頭上から降り注いできた『それ』と同じものだった。

条件反射でその場から弾けるように飛び退く!

直後、私達の元いた場所に突き刺さったのは、紛れもなく矢だった。

アスファルトを貫き、突き刺さるほどの矢。

その勢いは突き刺さって尚とどまる事を知らず、衝撃を逃がしきれなかった反動で、ビィィン、と音を立てながら振動していた。

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