御影の王
紅は溜息をつく。

「それは徐々に俺を酷使して潰してしまおうという、お前の高度な戦略か?」

この状況下でそんな軽口が聞けるのならば十分だ。

「頼んだぞ」

私は走り出し。

「応」

紅も槍を構えた。

遠心力ををつけ、槍を大きく振り上げる紅。

その振りに合わせて。

「おおおおおおおおお!」

私は跳躍する!

ちょうど紅の魔槍が、私を屋上へと打ち上げる形。

紅の膂力と槍の反動を利する形で、私は屋上へと飛び上がった!

…刀を片手に、天空を翔ける戦乙女。

跳躍しながら、ふと。

…こんな連携を、かつて紅とやった事があるような、そんな気がした。



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