!! MISUNDERSTANDING !!
ひぃっ


そう声を上げそうになった。

その眼光に。

その鋭さに。

その厳しさに。


私の腰を掴むその男。
長い前髪の奥から見えるその眼差しが、私の「ひぃっ」さえも飲み込ませた。
恐ろしく整った顔をして、恐ろしく怖い雰囲気をかもしだすその男。

狼に睨まれた兎のように身動きひとつ出来ない私。
そんな私の耳に届く声。


『前向いてないと危ないよ?』


え?

何、この風貌と声のギャップ?

何、この容姿と話し方のギャップ?

しかも今この人、口開いた?

え?

テレパシー?

何、エスパー?エスパーなの?


兎になり下がった私の思考が、


完っ全に


暴走した。
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