!! MISUNDERSTANDING !!
ただただそのまま凝視するしかない私の耳に、再び優しい声が。

今度はその声と共に、横から出てきた新たなハンドくんが、私とこの男の視線を断ち切るように、上下を行ったり来たりする。

『おーい?大丈夫ー?』

それでハッと気が付いた。
初めて他にも人がいることに気が付いた。
他にも人がいるどころじゃないってことに気が付いた。

完全に不良の溜まり場の、ド真ん中に立っていることに気が付いた……。

周りがウンコ座りだらけ。
カラフルな頭だらけ。
タバコの煙だらけ。
白学らんだらけ。
この地域で最高に評判の悪い不良校の制服だらけ。


私を抱えるこの男だけ、何かプラスチックのケースみたいのに座ってる。
ド真ん中にいる。
偉そうにいる。

どう考えても……
この中のアタマっぽくいる……。


状況を把握して、再び悲鳴を飲み込んだ。


ひぃぃぃぃぃぃ~~~~~っっ!!!
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