!! MISUNDERSTANDING !!
私の僅かな表情の変化を読み取ったように、目の前の男から低い声がする。

『……どうした?』


え……?


『…何から逃げてる?』


あ………


私が口を開く前に、後ろから苦しそうな声がした。


『れ…ハァ…恋ちゃ……ハァハァ…恋ちゃんっっ!!!』


顔が固まる。

足がすくむ。

目に涙が溜まる。


私をジッと見据える鋭い目が、一瞬チラッと私の後ろに向けられる。


周りが騒ぎ出す。

ウンコ座りが立ち上がって、後ろの男を威嚇し始める。


『なんだぁ?てめーは?』

『何ココで騒いでやがんだ、コラ?』


どう考えても、太った男に勝ち目なんかないのに、己を知らないというのはこういうことなのか。


『き、君たちには…ハァ…関係…ハァ……ないだろ!!れ…恋ちゃんを…ハァ…恋ちゃんを離せよっっ!!』

息も絶え絶えに、言い返す声が聞こえる。
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