!! MISUNDERSTANDING !!
さしずめ彼の中では、自分がスーパーヒーローで、私を抱えるこの男が悪玉親分で。
捕らえられた姫を助ける主人公気取りなのかもしれない。
だからその手下たちに、そんな偉そうな口が聞けるのかもしれない。

『あぁ?恋ちゃんだぁ?』

『関係大ありなんだよ、俺達の縄張りで偉そうな口聞いてんじゃねーよ』

手下たちの威嚇も、コイツには通用しない。
だってスーパーヒーローだから。
達の悪いスーパーヒーローだから。
思い込みの激しいスーパーヒーローだから。

だから手下の間を平然と歩く。
歩って私に近づいてくる。
ハァハァという息づかいが近づいてくる。


あぁ……もう……


下を向いて汗ばんだ手をギュッと握ると、フッと目の前に影が出来た。

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