!! MISUNDERSTANDING !!
「あの… 本当にもう大丈夫ですから…。」

そう小さく呟いたのに、狼は。

『…んなこと聞いてねぇ。』

相変わらず不機嫌に吠える。


助けを求めるように、清の方を向くと

『あはは、鎧が送りたいみたいだから。』

頼りにならない。


そうだ、お店なら。
自分の母親の店でバイトしてると思う確率なんて低いと思うし。
自宅を知られるよりはマシだもん。


「あの… この先の… 【Flowery Girl】ってお店でバイトしてて……」


相変わらず小さい声でそう呟くと、狼の眉間にシワが刻まれた。

当然だ。
この人たちに縁のあるような店じゃない。
きっとなんだそりゃ、って思ってるに違いない。

そう思ったのに…。

シワを刻んだままの狼は、低い声でこう聞いた。
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