!! MISUNDERSTANDING !!
数か月前から怪しい気配は感じていた。

誰かに見られてるような、つけられてるような、そんな気配。

そりゃ普通に見られることは多いんだけど、そういうんじゃなくて、何て言うかジトッとした視線。

その主をハッキリ確信したのは、ほんの1週間前だったというのに。

サッと振り返った時に、電柱からはみ出ている腹を目撃したのは、たった1週間前だったというのに。

毎日演じている自分に、今日は特に極度の疲れを感じていたから。

迂闊だった。

最悪だ。


走りながら、後ろを振り返る。



ぎょえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~~~っっ!!!


叫びたいのに、声も出ない。

腹をユサユサ振りながら、フゥフゥ息を吐きながら、ガシガシ汗を拭きながら、ドタドタ音をさせながら、ついてくる、ついてくる。

諦めずについてくる。
目がイッチャってる。
口元が笑ってる。
鼻の穴が開いてる。
汗で顔全体が光ってる。


ヤバい………。

怖い……。
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