エリート小学生エリファトム!!
企んだように微笑む雨宮は悪魔だ。
「生き別れの兄弟とか?」
「いいね、ベタで」
違うのかよ。
「教えてほしい?
って、そんなに勿体ぶるようなものじゃないけど」
「じゃあ言えよ」
“急かさないで”と雨宮は微笑む。
「桜が転校する前に住んでいた家の近所に
俺のいとこが住んでいたんだよ」
俺は雨宮の答えに“微妙”と返答した。
「確かにね」
雨宮は微笑む。
その薄っぺらい笑顔は離れないのか。
「あいつ、
何も言わずに転校しちゃったから」
っと初めて雨宮が切ない顔をした。
「良い気味」
俺は妬みで同情する気にはなれなかったが。