カスタネット・ラブ

☆チャンス☆

「おはよう~?寝てる?」

菜緒の声が上からした。

今顔をあげるのは気まずい。

早川君に起きていたことをバレてしまいそうで。

…バレているのだけれども。

「優樹菜ーおはようってば!」

髪をクシャクシャにする菜緒に、やっと顔をあげようと思った。

「…んっ…」

寝ぼけたフリをしながら顔を持ち上げようとした時だった。


「よせよ。多分疲れてるんだ。」

甘い声が横から聞こえた。
< 16 / 23 >

この作品をシェア

pagetop