魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
何があったか、なんて言われても。
何もなかったのだから私は答えようがなくて、口を閉じた。
そのまま、キョウの広い胸に顔を埋める。
彼が纏う黒いシャツはいつだって、清潔な匂いしかしない。
本当は、血にまみれているのだろうか。
さっきまで、硝煙の匂いがしていたのだろうか。
「淋しかった」
多分。
本当に淋しいのはキョウのほうだ。
巡り合っても、違う願いばかり口にするマドンナ・リリーの生まれ変わり。
通じ合っても、すぐに消えてしまう寿命の短い人間。
そんな、幻のようなものを追いかけて。
そんな、儚い願いを叶える為だけに大勢の霊を調伏して。
どうして、何でもなかったみたいにいつも笑っていられるのか。
私の想像ではとても追いつかない。
だから、何て言葉を掛けたら良いのか見当もつかない。
正直。
どこから話を切り出していいのかだって分からなくて。
疲れきっているキョウの寝息が私の頭の上から聞こえてきても尚。
私の心は迷いの森を彷徨い続けていた。
何もなかったのだから私は答えようがなくて、口を閉じた。
そのまま、キョウの広い胸に顔を埋める。
彼が纏う黒いシャツはいつだって、清潔な匂いしかしない。
本当は、血にまみれているのだろうか。
さっきまで、硝煙の匂いがしていたのだろうか。
「淋しかった」
多分。
本当に淋しいのはキョウのほうだ。
巡り合っても、違う願いばかり口にするマドンナ・リリーの生まれ変わり。
通じ合っても、すぐに消えてしまう寿命の短い人間。
そんな、幻のようなものを追いかけて。
そんな、儚い願いを叶える為だけに大勢の霊を調伏して。
どうして、何でもなかったみたいにいつも笑っていられるのか。
私の想像ではとても追いつかない。
だから、何て言葉を掛けたら良いのか見当もつかない。
正直。
どこから話を切り出していいのかだって分からなくて。
疲れきっているキョウの寝息が私の頭の上から聞こえてきても尚。
私の心は迷いの森を彷徨い続けていた。