魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「あのね、私もキョウに何かプレゼントしたいの」
何が欲しいか見当もつかない私は、カプチーノを飲みながらそう切り出した。
キョウはまたたびを目の前にした猫のように瞳を輝かす。
……私、何かまた失言でも?
なんとなく、暗雲のような不安が心の中に立ち込めてくる。
「赤いリボン」
「え?」
「すっごく長い赤いリボンがいい」
私は、言葉の意味が分からず目を丸くする。
「プレゼントの箱に、リボンをかけてほしいってこと?」
ちっちっちと、舌を鳴らしながら細く長い指を横に振ってみせる。
最近では滅多に見かけない否定の仕方に、私は僅か、肩を竦めた。
キョウの情報源って一体、何なのかしら……。
でも、それをじっくり考えている暇などない。
なにせ、彼は楽しそうに微笑みながら
「違うってば。
可愛いユリアをそのリボンで綺麗に飾りたいの、ね?」
と。
クリスマスプレゼントをサンタに強請る子供の目をして私に告げた。
……
私はしばし、無言で頭を抱える。
「駄目?」
そうやって、綺麗な顔で心配そうに首を傾げるのは反則だ、と思う。
そうだ、反則には屈しちゃ駄目なの。
頑張れ、百合亜。
私は自分にエールを送る。
何が欲しいか見当もつかない私は、カプチーノを飲みながらそう切り出した。
キョウはまたたびを目の前にした猫のように瞳を輝かす。
……私、何かまた失言でも?
なんとなく、暗雲のような不安が心の中に立ち込めてくる。
「赤いリボン」
「え?」
「すっごく長い赤いリボンがいい」
私は、言葉の意味が分からず目を丸くする。
「プレゼントの箱に、リボンをかけてほしいってこと?」
ちっちっちと、舌を鳴らしながら細く長い指を横に振ってみせる。
最近では滅多に見かけない否定の仕方に、私は僅か、肩を竦めた。
キョウの情報源って一体、何なのかしら……。
でも、それをじっくり考えている暇などない。
なにせ、彼は楽しそうに微笑みながら
「違うってば。
可愛いユリアをそのリボンで綺麗に飾りたいの、ね?」
と。
クリスマスプレゼントをサンタに強請る子供の目をして私に告げた。
……
私はしばし、無言で頭を抱える。
「駄目?」
そうやって、綺麗な顔で心配そうに首を傾げるのは反則だ、と思う。
そうだ、反則には屈しちゃ駄目なの。
頑張れ、百合亜。
私は自分にエールを送る。