魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「でもさ、折角だから呼び出せばいいのに」
言うや否や、ぱちりと指を鳴らす。
さぁと風が吹いて、そこにジュノが現れた。
休日のくつろぎモードだったのか、ブルージーンズに白いセーターだ。
その上に、急いで羽織ったと思われる黒いトレンチコートを着ている。
街行く人の不審顔なんて歯牙にもかけない様子で、丁寧に地面に跪き
「お呼びですか、魔王様」
と、丁寧に言葉を発している。
うーん、ホストクラブでエイイチロウを演じている時とはまるで別人のその姿に私は目を丸くする。
今のジュノは人懐っこい子犬ではなく、よく訓練された忠実な警察犬の雰囲気を醸し出していた。
……まぁ、どちらにしても【犬】なんだけどね。
「ユリアが聞きたいことがあるって」
キョウが私に振る。
ジュノは丁寧な仕草でゆっくりと立ち上がった。
私に向けられた柔らかい笑み。
「綾香の行方を知らないかと思って」
「アヤカちゃん?」
「そう。昨夜家に帰ってないんですって。
だから、ホストクラブに出向いたのかと思って」
「昨夜はうちには来なかったけど……」
曲げた右手の上に左肘を乗せ、左拳に顎を乗せてジュノは思考を巡らせている。
言うや否や、ぱちりと指を鳴らす。
さぁと風が吹いて、そこにジュノが現れた。
休日のくつろぎモードだったのか、ブルージーンズに白いセーターだ。
その上に、急いで羽織ったと思われる黒いトレンチコートを着ている。
街行く人の不審顔なんて歯牙にもかけない様子で、丁寧に地面に跪き
「お呼びですか、魔王様」
と、丁寧に言葉を発している。
うーん、ホストクラブでエイイチロウを演じている時とはまるで別人のその姿に私は目を丸くする。
今のジュノは人懐っこい子犬ではなく、よく訓練された忠実な警察犬の雰囲気を醸し出していた。
……まぁ、どちらにしても【犬】なんだけどね。
「ユリアが聞きたいことがあるって」
キョウが私に振る。
ジュノは丁寧な仕草でゆっくりと立ち上がった。
私に向けられた柔らかい笑み。
「綾香の行方を知らないかと思って」
「アヤカちゃん?」
「そう。昨夜家に帰ってないんですって。
だから、ホストクラブに出向いたのかと思って」
「昨夜はうちには来なかったけど……」
曲げた右手の上に左肘を乗せ、左拳に顎を乗せてジュノは思考を巡らせている。