魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
半年ぶりに歩く駅への道も、懐かしいなーなんて思いながら足を進める。
あ、ここここ。
春にイケメンに声を掛けられてから私の運命ががらりと変わってしまった、駅前の公園。
私は懐かしさに思わず足を止める。
すっかり寒くなっちゃったな、なんてコートの襟を立てながら。
「ニャァオウ」
可愛らしい声に、思わず足元に目を移す。
小さな黒猫が私のほうへと擦り寄ってきていた。
毛並みは綺麗だが、首輪はない。
こんなに寒いのに捨てられちゃったのかしら!?
その身体はぶるぶると小刻みに震えていた。私は思わず膝を曲げてしゃがみこむ。
逃げることもなく、黒い子猫がじぃと私を見つめていた。
どうしよう。
そんなにつぶらな瞳で見られたら……。
まぁいっか。ママには明日逢いに行けば。
今日はこの子を連れてうちに帰ろう。
とりあえず、一日くらい家に置いてもいいよね?
私はそっと子猫を抱き上げる。
「痛っ」
それまでとても大人しくしていたくせに、いきなり子猫は私の手に歯を立てた。
私は思わず手を振る。
血管の上に小さな牙が刺さったらしく、血がたらたらと流れていく。
子猫は美味しそうにそれをぺろぺろと舐めるのだ。
「こら、ダメでしょう」
思わず猫に語りかけてしまう。
猫は、舐めるのを止めた。
ふぅ、と、私は立ち上がる。
猫を連れて電車に乗るわけにも行かないので、やっぱりマンションに帰ろう。
確か、ペット禁止じゃなかった……よね?
私は下校中の生徒たちに不思議な目で見られながら、学校まで引き返し、さらにその向こうにあるマンションへと向かった。
あ、ここここ。
春にイケメンに声を掛けられてから私の運命ががらりと変わってしまった、駅前の公園。
私は懐かしさに思わず足を止める。
すっかり寒くなっちゃったな、なんてコートの襟を立てながら。
「ニャァオウ」
可愛らしい声に、思わず足元に目を移す。
小さな黒猫が私のほうへと擦り寄ってきていた。
毛並みは綺麗だが、首輪はない。
こんなに寒いのに捨てられちゃったのかしら!?
その身体はぶるぶると小刻みに震えていた。私は思わず膝を曲げてしゃがみこむ。
逃げることもなく、黒い子猫がじぃと私を見つめていた。
どうしよう。
そんなにつぶらな瞳で見られたら……。
まぁいっか。ママには明日逢いに行けば。
今日はこの子を連れてうちに帰ろう。
とりあえず、一日くらい家に置いてもいいよね?
私はそっと子猫を抱き上げる。
「痛っ」
それまでとても大人しくしていたくせに、いきなり子猫は私の手に歯を立てた。
私は思わず手を振る。
血管の上に小さな牙が刺さったらしく、血がたらたらと流れていく。
子猫は美味しそうにそれをぺろぺろと舐めるのだ。
「こら、ダメでしょう」
思わず猫に語りかけてしまう。
猫は、舐めるのを止めた。
ふぅ、と、私は立ち上がる。
猫を連れて電車に乗るわけにも行かないので、やっぱりマンションに帰ろう。
確か、ペット禁止じゃなかった……よね?
私は下校中の生徒たちに不思議な目で見られながら、学校まで引き返し、さらにその向こうにあるマンションへと向かった。