魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「ただいまー」
いつものように、そういいながら玄関を開ける。
一般サラリーマンのように定期的な時間に仕事にいかない魔王様だから、帰って来るまで居るか居ないかは分からない。
「おかえり、ユリア」
ドキリ、とする。
キョウがすっごく冷たい顔をして、私の腕の中を見たからだ。
久々に見た。その、どうしたらいいのか分からないくらい、冷酷な表情に私は思わず息を呑む。
な、何?
私、何かやらかした?
「ユリア……。
俺以外の男に興味を持つなと言っただろう?」
黒猫を抱いている私を見て、魔王様はその瞳を冷たく光らせたのだった。
「お、男?」
私は目を瞠る。
オス猫は拾ってくるなということ、だろうか。
心の底まで凍りそうな、暗黒の眼差しに眩暈を覚えた。
「だって、寒そうだったんだもんっ。
人間はね、こうやって捨てられた動物を見つけたら拾ってくるものなの」
私は思わず反論する。
「拾得物は警察に届ける、だろ?」
「いや、これは生き物だから保健所、かも。
でも、ダメよ!保健所に連れて行かれた動物の何割がガスで殺されてると思ってるの!?」
私は必死で反論する。
もちろん、人間だって簡単に殺せる魔王様だ。
動物にだって慈悲を期待するのは間違いなのかもしれない。
でも、でも。
この子は寒空の中で震えていたのよ?
これ以上キョウににらまれていたら、心がばらばらになってしまう。
恐ろしさを感じて、私はぎゅっと瞳を閉じた。
いつものように、そういいながら玄関を開ける。
一般サラリーマンのように定期的な時間に仕事にいかない魔王様だから、帰って来るまで居るか居ないかは分からない。
「おかえり、ユリア」
ドキリ、とする。
キョウがすっごく冷たい顔をして、私の腕の中を見たからだ。
久々に見た。その、どうしたらいいのか分からないくらい、冷酷な表情に私は思わず息を呑む。
な、何?
私、何かやらかした?
「ユリア……。
俺以外の男に興味を持つなと言っただろう?」
黒猫を抱いている私を見て、魔王様はその瞳を冷たく光らせたのだった。
「お、男?」
私は目を瞠る。
オス猫は拾ってくるなということ、だろうか。
心の底まで凍りそうな、暗黒の眼差しに眩暈を覚えた。
「だって、寒そうだったんだもんっ。
人間はね、こうやって捨てられた動物を見つけたら拾ってくるものなの」
私は思わず反論する。
「拾得物は警察に届ける、だろ?」
「いや、これは生き物だから保健所、かも。
でも、ダメよ!保健所に連れて行かれた動物の何割がガスで殺されてると思ってるの!?」
私は必死で反論する。
もちろん、人間だって簡単に殺せる魔王様だ。
動物にだって慈悲を期待するのは間違いなのかもしれない。
でも、でも。
この子は寒空の中で震えていたのよ?
これ以上キョウににらまれていたら、心がばらばらになってしまう。
恐ろしさを感じて、私はぎゅっと瞳を閉じた。