魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
4.拾得物は吸血鬼
「とととと、とりあえず服を着ていただけますか?
っていうか、キョウ、お願いだからその人に何か服を!」
やれやれ、と、手がかかる子に呆れる親のような仕草で、キョウがバスルームから洗い立てのバスローブを投げつける。
っていうか、バスローブ以外に渡せる服はないわけ?
無言で渡されたバスローブをとりあえず羽織る、謎の金髪美形の皇太子。
固まっている私の手を取ると、そっと手の甲に唇付けようとする。
「い……いやいやいや、ダメです、ダメです。
私、人妻ですから」
その相手は<人>じゃないし、実際は<妻>でもないけど。
とりあえず、手を出しちゃいけなそうな立場であると、声高に主張する。
同時にとっさに手を引き上げ、私は首を横に振っていた。
「ふぅん」
と、その人は王子様の如く柔らかい笑みを浮かべた。
「君はシャイなんだ。
昨日の子はとっても積極的だったのに」
「じゃあ、その積極的な子のところに行ってみちゃどうですか?
幸い服もあることですし、えっと。
玄関はあちらです」
私はとりあえずこの人を追い出すことに必死だ。
この寒空の下バスローブ一つで歩き回る人がどれほど不審かとか、そんなことまで考える余裕は微塵も無い。
キョウは、まるで他人事のようにソファに座って私たちのやりとりを眺めている。
そう、面白いテレビ番組でも見るかのような傍観者ぶりだ。
っていうか、キョウ、お願いだからその人に何か服を!」
やれやれ、と、手がかかる子に呆れる親のような仕草で、キョウがバスルームから洗い立てのバスローブを投げつける。
っていうか、バスローブ以外に渡せる服はないわけ?
無言で渡されたバスローブをとりあえず羽織る、謎の金髪美形の皇太子。
固まっている私の手を取ると、そっと手の甲に唇付けようとする。
「い……いやいやいや、ダメです、ダメです。
私、人妻ですから」
その相手は<人>じゃないし、実際は<妻>でもないけど。
とりあえず、手を出しちゃいけなそうな立場であると、声高に主張する。
同時にとっさに手を引き上げ、私は首を横に振っていた。
「ふぅん」
と、その人は王子様の如く柔らかい笑みを浮かべた。
「君はシャイなんだ。
昨日の子はとっても積極的だったのに」
「じゃあ、その積極的な子のところに行ってみちゃどうですか?
幸い服もあることですし、えっと。
玄関はあちらです」
私はとりあえずこの人を追い出すことに必死だ。
この寒空の下バスローブ一つで歩き回る人がどれほど不審かとか、そんなことまで考える余裕は微塵も無い。
キョウは、まるで他人事のようにソファに座って私たちのやりとりを眺めている。
そう、面白いテレビ番組でも見るかのような傍観者ぶりだ。