魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「酷いなぁ。折角拾ってくれたのに。
もう、捨てちゃうの?」
酷い、と、不幸のヒーローになった表情を作るのはやめて欲しい。
キョウとはまるでタイプが違うけど、これはこれでとてつもなくイケメンなのだ。
どっちかっていうと、キョウが漆黒が似合うオリエンタルな雰囲気を纏っているのに対して、こっちは相当エキゾチックだ。
どっちも種類こそ違うものの、目が眩むほどの美形で。
えーっと、えっと。
眩むのは目です、心ではありませんよ、念のため。
なんて、私は一人、心を落ち着けるためにぶつぶつ言ってなきゃいけない。
そのくらい、眉目秀麗、容姿端麗の謎の人物が、またもや私の前に現れたのだ。
「拾ってませんけど?」
「拾ってくれたじゃない。しかも、血まで飲ませてくれて。
助かったよ、とても」
キランって、ねぇ、今ちょっとキランって嫌な感じでキョウの目が光ったのが私の視線の端に見えちゃったんですけど。
どうしよう。
「飲ませて無いし。
ねぇ、アレは事故よ、事故」
早口で言って、キョウのほうへと足を進める。
「そうそう、私の夫を紹介するわ。まか……」
がふっと、後ろから大きな手のひらで唇を覆われた。
「ユリア、わざわざ俺の紹介なんてしてくれなくても大丈夫だよ」
耳元で聞こえた甘い声の、その隙間に針金のように鋭い何かが見え隠れするのは気のせいでしょうか、ねぇ。
もう、捨てちゃうの?」
酷い、と、不幸のヒーローになった表情を作るのはやめて欲しい。
キョウとはまるでタイプが違うけど、これはこれでとてつもなくイケメンなのだ。
どっちかっていうと、キョウが漆黒が似合うオリエンタルな雰囲気を纏っているのに対して、こっちは相当エキゾチックだ。
どっちも種類こそ違うものの、目が眩むほどの美形で。
えーっと、えっと。
眩むのは目です、心ではありませんよ、念のため。
なんて、私は一人、心を落ち着けるためにぶつぶつ言ってなきゃいけない。
そのくらい、眉目秀麗、容姿端麗の謎の人物が、またもや私の前に現れたのだ。
「拾ってませんけど?」
「拾ってくれたじゃない。しかも、血まで飲ませてくれて。
助かったよ、とても」
キランって、ねぇ、今ちょっとキランって嫌な感じでキョウの目が光ったのが私の視線の端に見えちゃったんですけど。
どうしよう。
「飲ませて無いし。
ねぇ、アレは事故よ、事故」
早口で言って、キョウのほうへと足を進める。
「そうそう、私の夫を紹介するわ。まか……」
がふっと、後ろから大きな手のひらで唇を覆われた。
「ユリア、わざわざ俺の紹介なんてしてくれなくても大丈夫だよ」
耳元で聞こえた甘い声の、その隙間に針金のように鋭い何かが見え隠れするのは気のせいでしょうか、ねぇ。