魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「ベガスに素敵な思い出が?」
聞いてみたくて、思わず話題を振る。
「あるよ。
たくさんある。
ベガスの人はさ、皆、夢の世界を生きてるんだ。
だって、砂漠の真ん中にばっかみたいな都市が出来ていて、そこで暮らしたり遊んだりしてるんだからね。
誰でも、夢の中の住人なんだよ。
だから、家のない黒猫にも皆優しいんだ。
喉を撫でてくれたり、ラッキーキャットと呼んで、カジノに連れて行ってくれたり。
食べ物をくれたり、また、頭を撫でてくれたり」
今にもゴロゴロと言い出しそうに、気持ちよさそうにジャックが瞳を細めた。
私は思わず、その柔らかい金髪を撫でていた。
ジャックの手が、そっと私の手に触れる。
「ありがとう、ユリアちゃん」
そうだ。
ジャックは今、人――正確には吸血鬼?――だったんだった。
ついつい、彼が猫に見えるという幻覚が……。
私は慌てて手を引っ込めようかと、思ったのだけれど。
ジャックの手があまりにも冷たかったから、そのまま私の両手で挟んであげた。
少しでも、温まればいいのに。
少なくとも、私が握っている間は暖かいよね?
聞いてみたくて、思わず話題を振る。
「あるよ。
たくさんある。
ベガスの人はさ、皆、夢の世界を生きてるんだ。
だって、砂漠の真ん中にばっかみたいな都市が出来ていて、そこで暮らしたり遊んだりしてるんだからね。
誰でも、夢の中の住人なんだよ。
だから、家のない黒猫にも皆優しいんだ。
喉を撫でてくれたり、ラッキーキャットと呼んで、カジノに連れて行ってくれたり。
食べ物をくれたり、また、頭を撫でてくれたり」
今にもゴロゴロと言い出しそうに、気持ちよさそうにジャックが瞳を細めた。
私は思わず、その柔らかい金髪を撫でていた。
ジャックの手が、そっと私の手に触れる。
「ありがとう、ユリアちゃん」
そうだ。
ジャックは今、人――正確には吸血鬼?――だったんだった。
ついつい、彼が猫に見えるという幻覚が……。
私は慌てて手を引っ込めようかと、思ったのだけれど。
ジャックの手があまりにも冷たかったから、そのまま私の両手で挟んであげた。
少しでも、温まればいいのに。
少なくとも、私が握っている間は暖かいよね?