魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「なんでよ?」
私はきっと後ろを向く。
キョウは腹が立つほど優雅な笑みを零した。
「それじゃ、アイツが逃げ出すかもしれないじゃない?」
耳元で楽しそうに囁いてくる。
「逃げ出せばいいでしょう?」
私も囁いてみる。もっとも私の声が相当真剣なのは仕方が無い。
「ダメだよ、そんなの。
折角の俺のお楽しみが減ってしまうからね」
そそそそ、そんなに楽しみなの?
私はくらくらと眩暈がしてきた。
クリスマス当日まで後23日。だけど、そのうちキョウは気付くだろう。日本人が本当に盛り上がるのはクリスマスイブであることに。
そしたら残り22日。
私はこんな男と一緒に暮らす気なんて毛頭無いの。
人間外生物は、キョウだけでいっぱいいっぱいなの、正直なところ。
「ダメよ、だって。
危険じゃない?」
どうして?と、不思議そうにキョウは首を傾げる。
それから、ああ、ユリアは可愛いね、と甘い言葉を零す。
「大丈夫。吸血鬼は美女の血しか好まないんだ。幸い俺は男だし、ねぇ、ユリア?」
……………
そ、それはどういう意味ですか?
私に、喧嘩売ってます?
私はどう解釈したら良いのか判断しかねて、きっとキョウを睨む。
私はきっと後ろを向く。
キョウは腹が立つほど優雅な笑みを零した。
「それじゃ、アイツが逃げ出すかもしれないじゃない?」
耳元で楽しそうに囁いてくる。
「逃げ出せばいいでしょう?」
私も囁いてみる。もっとも私の声が相当真剣なのは仕方が無い。
「ダメだよ、そんなの。
折角の俺のお楽しみが減ってしまうからね」
そそそそ、そんなに楽しみなの?
私はくらくらと眩暈がしてきた。
クリスマス当日まで後23日。だけど、そのうちキョウは気付くだろう。日本人が本当に盛り上がるのはクリスマスイブであることに。
そしたら残り22日。
私はこんな男と一緒に暮らす気なんて毛頭無いの。
人間外生物は、キョウだけでいっぱいいっぱいなの、正直なところ。
「ダメよ、だって。
危険じゃない?」
どうして?と、不思議そうにキョウは首を傾げる。
それから、ああ、ユリアは可愛いね、と甘い言葉を零す。
「大丈夫。吸血鬼は美女の血しか好まないんだ。幸い俺は男だし、ねぇ、ユリア?」
……………
そ、それはどういう意味ですか?
私に、喧嘩売ってます?
私はどう解釈したら良いのか判断しかねて、きっとキョウを睨む。