魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
着いたところは、有名なホテルの1階にあるレストラン。
ここに決まったって聞いたとき、金持ちはケチでよかったよなって呟いたのは、エイイチロウさんだった。
お金なんて湯水のように入るであろうホストという仕事をしている割には堅実な意見を言うのねと思ったので、よく覚えているの。
確かに。
個室完備の日本料亭だったら、ここまで簡単に綾香の様子を探ることなんて出来なかったと思うと、金持ちはケチ説に賛成だけど。
でも。
借金苦で綾香のお父さんは亡くなっているのだから、今でも貧乏なのかもしれないじゃない?
と、思わなくもない。
そんなこと、本人には聞けないから想像するしかないし。
とはいえ。
他人のお財布状態なんて想像するのは失礼じゃない?
だから、まぁ。
真相はどうでもよいとして。
私達は綾香が既に座っている席がぎりぎり見える角の席に座り、時間がかかりそうなフルコースを頼んでみた。
それにしても、と、私は唇を噛み締める。
真っ青な顔で、ハンカチを握り締めて俯いている綾香が気の毒で仕方がないと思ったからだ。
もちろん、先方に警戒されるのを防ぐためにも、綾香には今日私たちがここに来ることは告げてない。
こんなことなら、言っておいてあげたほうが良かったのかもしれない。
そう思うくらい、綾香の目は思いつめていた。
ここに決まったって聞いたとき、金持ちはケチでよかったよなって呟いたのは、エイイチロウさんだった。
お金なんて湯水のように入るであろうホストという仕事をしている割には堅実な意見を言うのねと思ったので、よく覚えているの。
確かに。
個室完備の日本料亭だったら、ここまで簡単に綾香の様子を探ることなんて出来なかったと思うと、金持ちはケチ説に賛成だけど。
でも。
借金苦で綾香のお父さんは亡くなっているのだから、今でも貧乏なのかもしれないじゃない?
と、思わなくもない。
そんなこと、本人には聞けないから想像するしかないし。
とはいえ。
他人のお財布状態なんて想像するのは失礼じゃない?
だから、まぁ。
真相はどうでもよいとして。
私達は綾香が既に座っている席がぎりぎり見える角の席に座り、時間がかかりそうなフルコースを頼んでみた。
それにしても、と、私は唇を噛み締める。
真っ青な顔で、ハンカチを握り締めて俯いている綾香が気の毒で仕方がないと思ったからだ。
もちろん、先方に警戒されるのを防ぐためにも、綾香には今日私たちがここに来ることは告げてない。
こんなことなら、言っておいてあげたほうが良かったのかもしれない。
そう思うくらい、綾香の目は思いつめていた。