魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「記憶はいじれるとしても、実際に刺されたあの人はどうなっちゃうの?」
私はキョウを見上げて聞いた。
キョウはそれが敗北宣言であるかのように、やや不機嫌そうに眉を潜めている。
「事故にあったってことになってる」
あら、不機嫌が声に滲み出てらっしゃいますわよ☆
もちろん、勝利した私は寛大な気持ちでそれを見逃してあげる。
「じゃあ、そこは放置しておいていいってこと?」
「ああ」
そこで、私は思い出した。
大事なことを。
「でも、一つだけやって欲しいことがあるの」
私の脳裏に、ジャックの儚い笑顔が過ぎる。
「ジャックがベガスで貯めたお金で、綾香の問題を解決して頂戴」
強い決意で頼んでみる。
すると。
不機嫌そうだったキョウが、にやり、と。
いかにも悪魔的な笑いを浮かべた。
「まさか、俺が何もやってないと思ってたわけ?」
綺麗な顔が作る笑顔は、壮絶とも言える色気を放っていてその得意げな顔になんだか腹が立つ。
「ユリアって結構俺のこと見くびってるよね」
……そ、そうかな?
黒い瞳が放つ威圧的な色に、思わず一歩後ずさる。
「こう見えても魔界では一国を預かっている王なんだけど」
……そ、それはなんとなく存じておりますが、ハイ。
私はキョウを見上げて聞いた。
キョウはそれが敗北宣言であるかのように、やや不機嫌そうに眉を潜めている。
「事故にあったってことになってる」
あら、不機嫌が声に滲み出てらっしゃいますわよ☆
もちろん、勝利した私は寛大な気持ちでそれを見逃してあげる。
「じゃあ、そこは放置しておいていいってこと?」
「ああ」
そこで、私は思い出した。
大事なことを。
「でも、一つだけやって欲しいことがあるの」
私の脳裏に、ジャックの儚い笑顔が過ぎる。
「ジャックがベガスで貯めたお金で、綾香の問題を解決して頂戴」
強い決意で頼んでみる。
すると。
不機嫌そうだったキョウが、にやり、と。
いかにも悪魔的な笑いを浮かべた。
「まさか、俺が何もやってないと思ってたわけ?」
綺麗な顔が作る笑顔は、壮絶とも言える色気を放っていてその得意げな顔になんだか腹が立つ。
「ユリアって結構俺のこと見くびってるよね」
……そ、そうかな?
黒い瞳が放つ威圧的な色に、思わず一歩後ずさる。
「こう見えても魔界では一国を預かっている王なんだけど」
……そ、それはなんとなく存じておりますが、ハイ。