魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
「どうして、どうしてそう思うんですか?
キョウが言ったの?」
「いや。
っていうかね、リリー、分かってる?
わざわざ神様が魔界のもの全ての話なんて聞いてたらキリないじゃないか。
イマイチこう、私の存在のすごさについて理解していないんじゃないかなぁ」
ちらり、と。
その瞳に不服の色が浮かぶ。
あ、しまった!
私は慌てて脳内から言葉を引っ張り出してくる。
「とんでもないですっ。
ほら、このたびの件では神様にもとても迷惑をかけてしまって……。
お手を煩わせてしまったこと、深く反省しています。
そして、とても感謝しています。
ただ、ここしばらくの間、少しはキョウと一緒に居る時間もあったんじゃないかと思ったわけで。それはもう、何も聞かれてないんでしたら、それはそれで」
たらり、と。
背中に滴る汗もそのままに、私は精一杯の言葉を紡ぐ。
「いやいや、分かってくれればそれでいいんだけどね。
聞いたわけじゃないよ。
でもさ、今新しい会社を作ってそこで社長って呼ばれているんだよね?
人間界のルールに詳しいわけじゃないけど、代表取締役社長なんかになる場合、存在証明は必要でしょう?
戸籍や住民票みたいな。
今はないわけだから、催眠にでもかけているのか、何かしらの理由があってそう名乗っているだけなのか。
知らないけれども、気になるじゃないか。
戸籍や住民票を手に入れる……っていうのは、一見書類上の手続きだけでいいような気もするけれど、そこに強い決意表明も入っているのかなぁなんて、ついつい勘繰ってしまうわけだよ。
ほら、シャーロック・ホームズのようにさ。
こう、鋭い推理が働くわけなんだよねぇ」
今のお話は、推理というより推測ではありませんか?
という言葉は心の奥深くに飲み込んで、私は感心したように頷いて見せた。
キョウが言ったの?」
「いや。
っていうかね、リリー、分かってる?
わざわざ神様が魔界のもの全ての話なんて聞いてたらキリないじゃないか。
イマイチこう、私の存在のすごさについて理解していないんじゃないかなぁ」
ちらり、と。
その瞳に不服の色が浮かぶ。
あ、しまった!
私は慌てて脳内から言葉を引っ張り出してくる。
「とんでもないですっ。
ほら、このたびの件では神様にもとても迷惑をかけてしまって……。
お手を煩わせてしまったこと、深く反省しています。
そして、とても感謝しています。
ただ、ここしばらくの間、少しはキョウと一緒に居る時間もあったんじゃないかと思ったわけで。それはもう、何も聞かれてないんでしたら、それはそれで」
たらり、と。
背中に滴る汗もそのままに、私は精一杯の言葉を紡ぐ。
「いやいや、分かってくれればそれでいいんだけどね。
聞いたわけじゃないよ。
でもさ、今新しい会社を作ってそこで社長って呼ばれているんだよね?
人間界のルールに詳しいわけじゃないけど、代表取締役社長なんかになる場合、存在証明は必要でしょう?
戸籍や住民票みたいな。
今はないわけだから、催眠にでもかけているのか、何かしらの理由があってそう名乗っているだけなのか。
知らないけれども、気になるじゃないか。
戸籍や住民票を手に入れる……っていうのは、一見書類上の手続きだけでいいような気もするけれど、そこに強い決意表明も入っているのかなぁなんて、ついつい勘繰ってしまうわけだよ。
ほら、シャーロック・ホームズのようにさ。
こう、鋭い推理が働くわけなんだよねぇ」
今のお話は、推理というより推測ではありませんか?
という言葉は心の奥深くに飲み込んで、私は感心したように頷いて見せた。