魔王様！まさかアイツは吸血鬼？【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】

そうして、最後にどうしても気になっていたことを聞く。

「それから、どうして。
ジャックは死んじゃったの？」

「それは、寿命としか言いようがない。
質問は以上かな？」

他にもいっぱいあった気がしたのに、いざとなると出てこないものね。

「……はい。
色々とお手を煩わせまして」

恐縮度百パーセントで頭を下げてみる。

それに満足したのか。神様はふわっと。口解けの良い柔らかい笑みを浮かべた。
どうやら、こちらが下手に出るとご機嫌になるみたい。

ま、分かりやすくてよろしいこと。

「まぁ、いいさ。
××には、つい甘くなっちゃうんだ。神様だって、そんなになんでもかんでも平等には出来ないよね。
だいたいさ、この平等って言葉曲者だと思わない？」

「……はぁ」

私の理解度なんて完全に無視して、またもや神様は独自の理論を展開し始めた。

しばらく辛抱強く話に付き合う。

退屈が凌げたのか、神様は満足げに微笑むと、私に手を翳す。
元の世界に戻れる、予感がした。