魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
私の意味ありげな視線には目もくれず、キョウはテーブルの上の黒猫を持ち上げた。
「で、これは何の冗談?」
その声が存外に低くて、背筋がぞっとする。
私は慌てて口を開く。
「冗談じゃないわよ。
だって、ほら。
ジャックってお墓なんてないじゃない?
だから……せめてもの代わりになるかなぁと思って」
キョウが目を見開いた。
黒曜石の瞳が零れ落ちそうなくらい大きく。
「墓って、死んだ人のために建てるんだと思ってた」
……私も、そう思ってるけど?
静けさが部屋に漂う。
直後。
キョウがふわりと笑った。
風呂敷の包みでも開くかのような、柔らかさを伴った甘い笑い。
「ま、別にいいか。
ユリア、出かけよう」
「出かけるって?」
「寒いから……そうだなー。
久々に、服、選んであげようね」
ふ、服って言いませんでした?
嬉々として下着選びからやっているのは……なんででしょうか?
「ユリアちゃん☆」
悪魔が魅惑的な笑顔を浮かべて、私の身体を舐めるように見ている。
視線だけでぞくりとした何かを感じてしまうのは……。
認めたくはないけれど、私、まさか、欲求不満?
いやいやいやいや。
まさか、ね?
「で、これは何の冗談?」
その声が存外に低くて、背筋がぞっとする。
私は慌てて口を開く。
「冗談じゃないわよ。
だって、ほら。
ジャックってお墓なんてないじゃない?
だから……せめてもの代わりになるかなぁと思って」
キョウが目を見開いた。
黒曜石の瞳が零れ落ちそうなくらい大きく。
「墓って、死んだ人のために建てるんだと思ってた」
……私も、そう思ってるけど?
静けさが部屋に漂う。
直後。
キョウがふわりと笑った。
風呂敷の包みでも開くかのような、柔らかさを伴った甘い笑い。
「ま、別にいいか。
ユリア、出かけよう」
「出かけるって?」
「寒いから……そうだなー。
久々に、服、選んであげようね」
ふ、服って言いませんでした?
嬉々として下着選びからやっているのは……なんででしょうか?
「ユリアちゃん☆」
悪魔が魅惑的な笑顔を浮かべて、私の身体を舐めるように見ている。
視線だけでぞくりとした何かを感じてしまうのは……。
認めたくはないけれど、私、まさか、欲求不満?
いやいやいやいや。
まさか、ね?