魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
うわ!眩しいっ。

私は、目の前に広がる光の洪水に思わず瞳を細めた。

暗いのか明るいのかすら、よく分からない。
ここって……。

「ほら、今が12月24日、午前0時!」

隣で私の腰を抱いている魔王様はご機嫌な声でそう囁いた。
私の瞳がゆっくりと馴染んでくる。

暗闇を彩りすぎている光の洪水。
歩き回る人々。
走り回る数々の車。

冷たい風なんて気にしないような、はしゃぐ人々の声。

そして、常識外れた大きさのホテルが林立している……。

ここって!

「ラスベガスへ、ようこそ。
マイハニー」

まるで、ホテルの支配人かのように丁寧に礼をしてくれる。

「ら……ラスベガスぅ?」

私の頭の中を過ぎるのは、いつかみた映画のワンシーン。
ほら、すっごい大きな冗談みたいな噴水があって……。

「Wow!」

近くに固まっている人たちの口から一気に歓声が漏れる。
その先で。

そう。
私が映画でも見た、ホテルベラージオの大噴水のショウがまさに始まったところだった。
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