魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
キョウは肩をそびやかす。
「本当、ユリアは疑い深くて、我が侭だね」
「誰がっ……」
反論しようとしたら、もう一度強く抱き寄せられた。
息をするのも苦しいほどに。
そ、その力は反則じゃありませんか?
「こんなユリアの相手が出来るのは、俺くらいしか居ないだろう?」
強気な言葉も、そっと囁けば脳みそを震わせるような優しい甘言になるのね、と。
上手く働かない頭で判断する。
「何よ、それ」
「だから、もう変な男拾ってこないで」
「ジャックは猫だったじゃない?」
少なくとも、最初は。
キョウは緩やかに瞳を細める。
「あれが猫にしか見えないなんて。本当にユリアは人間なんだね」
……えーっと。今の今まで私のことを、何だと思ってらっしゃったんでしょうか?
「当たり前でしょっ」
声高に言った私を見つめる瞳に、傷ついた色を浮かべるのはずるいと思う。
そうよ、ずるいわよ。
勝手に、千年待って。
勝手に、神様と取引して。
一人で、苦労を背負って。
そうまでして手に入れたのが、こんな私で良いのかしら?
「本当、ユリアは疑い深くて、我が侭だね」
「誰がっ……」
反論しようとしたら、もう一度強く抱き寄せられた。
息をするのも苦しいほどに。
そ、その力は反則じゃありませんか?
「こんなユリアの相手が出来るのは、俺くらいしか居ないだろう?」
強気な言葉も、そっと囁けば脳みそを震わせるような優しい甘言になるのね、と。
上手く働かない頭で判断する。
「何よ、それ」
「だから、もう変な男拾ってこないで」
「ジャックは猫だったじゃない?」
少なくとも、最初は。
キョウは緩やかに瞳を細める。
「あれが猫にしか見えないなんて。本当にユリアは人間なんだね」
……えーっと。今の今まで私のことを、何だと思ってらっしゃったんでしょうか?
「当たり前でしょっ」
声高に言った私を見つめる瞳に、傷ついた色を浮かべるのはずるいと思う。
そうよ、ずるいわよ。
勝手に、千年待って。
勝手に、神様と取引して。
一人で、苦労を背負って。
そうまでして手に入れたのが、こんな私で良いのかしら?