魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
39.Merry Xmas 魔王様
ふわり、と。
重力に反して体が持ち上がる。
私はキョウの首に手を回す。
このまま、連れて行ってくれればいい。
まだ、短いと言ってもいいここでの人生を、心の中で反芻した。
……サヨナラ、パパ、ママ。
ぎゅっと瞳を閉じる。
でも。
パチリ、という音はならない。
「キョ、ウ?」
そっと目を開ける。
おや、と。
キョウは紅い唇にいつものように艶やかな笑みを携える。
「そろそろ、ハーブティーが効いて眠っちゃったんじゃないかと思ったんだけど、違ったみたいだね」
低い声は、耳に馴染んだいつものもの。
「行かないの?」
「イヤだなぁ、何度言わせれば分かるの?
っていうか、アレ?
ユリアって案外女王様気質で、何度だって同じことを言わせなきゃ気がすまないタイプ?」
「いいえっ」
どういう種別ですか、それ。
重力に反して体が持ち上がる。
私はキョウの首に手を回す。
このまま、連れて行ってくれればいい。
まだ、短いと言ってもいいここでの人生を、心の中で反芻した。
……サヨナラ、パパ、ママ。
ぎゅっと瞳を閉じる。
でも。
パチリ、という音はならない。
「キョ、ウ?」
そっと目を開ける。
おや、と。
キョウは紅い唇にいつものように艶やかな笑みを携える。
「そろそろ、ハーブティーが効いて眠っちゃったんじゃないかと思ったんだけど、違ったみたいだね」
低い声は、耳に馴染んだいつものもの。
「行かないの?」
「イヤだなぁ、何度言わせれば分かるの?
っていうか、アレ?
ユリアって案外女王様気質で、何度だって同じことを言わせなきゃ気がすまないタイプ?」
「いいえっ」
どういう種別ですか、それ。