魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
こうしている間にも、時計の針はどんどん動いていく。
しまったなー。
今日、一人っきりの日曜日だからって午前中寝て過ごすんじゃなかったー。

と、私はちらりと反省する。

だから夜寝付けなくって、こうしてキョウとご対面するハメになっちゃったのだから。

さすがの彼も、私の寝込みを襲ったりはしない。
そのくらいの常識は、ある。

……と、最初はそう思っていたんだけど。
キョウが私の寝込みを襲わないのは、単に『意識がないユリアを襲っても、反応がないからちっとも楽しくない』からだと聞かされて、まぁ、諦めの境地だ。
楽しかったら、ナニしてたんだか。

まぁ、あまり深く想像しないに限る。


っていうのも、キョウと同居し始めた最初の頃(一応戸籍を入れるなんてことが出来るはずもないので、建前上は同居ね。キョウがどう認識しているかは、これまた別のお話ってことで)、そうは言ってもお年頃の私は求められるがままに応じていたのよ。キャっ。あまり深くは聞かないで。

そしたらそしたら。
ある日、親友で同級生の笑麗奈に言われたの。

『百合亜、素敵な彼氏が出来たのね☆全身からフェロモンが零れ落ちてるよ。他の男まで誘い込まないようにね~』って……。

ああ、フランス人形のように可愛らしいハーフの笑麗奈なんだけど、そしてまるで悪気はないのだけれど、たまにすぱっとストレートに思ったことを口にするので怖ろしい。

それ以来。
って、まぁ、それだけじゃないんだけど。
半年も経てばいろいろあるわけで。

なるべく距離を置くように心がけてるの。

もちろん、キョウに不信感を抱かれない程度に、よ?このバランスを絶妙にとらないといけなわけで……。

絶世の美男子、魔王様と同居するのもそれはそれで色々と、大変なのでゴザイマス。
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