魔王様!まさかアイツは吸血鬼?【恋人は魔王様‐X'mas Ver.‐】
キョウはいつもの定番、黒いスーツの上に、黒いトレンチコートを羽織っている。
丁寧に黒いマフラーまで巻いている。
黒尽くめなのに、むしろ派手に見えるところに、キョウの持って生まれたオーラのようなものを感じてしまう。
彼としては別に、そんなもの羽織らなくても平気なのだけれど、世間のファッションに合わせてくれているのだ。
白い肌と紅い唇が余計に映えて、私はどきりとせずにはいられない。
「おいで、ユリア」
私に向かって伸ばされた手を、素直に握る。
それだけで、冷たくなった体温が一気に上昇しそうなくらい、心臓が高鳴るのだ。
自分でも馬鹿みたいに単純だって思うけど。
どうしようもない。
「今日はお仕事、もういいの?」
キョウは肩を竦める。
「折角のデートなんだから、野暮なこと言わないで」
耳に心地よい低いトーンの声でそう囁かれれば、私もそれ以上追及するなんてできはしない。
クリスマスのイルミネーションに飾られた街は、6時過ぎたというのに活気付いている。むしろ、6時を過ぎて仕事が終わった人たちで余計に賑わっているのかもしれない。
駅の近くの商店街を二人で歩く。
もう、猫探しの本分も忘れて私はデコレーションされた街をうっとりと眺めていた。
キョウは私のペースに合わせて何処へでもついてきてくれる。
ショーウィンドウに飾られているブランド物の服。
照明に照らされて余計に輝いているティファニーの指輪。
カップルが足を止めて見上げている、クリスマスツリー。
予約承り中と書いてある、クリスマスケーキ。
どれを見ても、テンションが上がってくる。
丁寧に黒いマフラーまで巻いている。
黒尽くめなのに、むしろ派手に見えるところに、キョウの持って生まれたオーラのようなものを感じてしまう。
彼としては別に、そんなもの羽織らなくても平気なのだけれど、世間のファッションに合わせてくれているのだ。
白い肌と紅い唇が余計に映えて、私はどきりとせずにはいられない。
「おいで、ユリア」
私に向かって伸ばされた手を、素直に握る。
それだけで、冷たくなった体温が一気に上昇しそうなくらい、心臓が高鳴るのだ。
自分でも馬鹿みたいに単純だって思うけど。
どうしようもない。
「今日はお仕事、もういいの?」
キョウは肩を竦める。
「折角のデートなんだから、野暮なこと言わないで」
耳に心地よい低いトーンの声でそう囁かれれば、私もそれ以上追及するなんてできはしない。
クリスマスのイルミネーションに飾られた街は、6時過ぎたというのに活気付いている。むしろ、6時を過ぎて仕事が終わった人たちで余計に賑わっているのかもしれない。
駅の近くの商店街を二人で歩く。
もう、猫探しの本分も忘れて私はデコレーションされた街をうっとりと眺めていた。
キョウは私のペースに合わせて何処へでもついてきてくれる。
ショーウィンドウに飾られているブランド物の服。
照明に照らされて余計に輝いているティファニーの指輪。
カップルが足を止めて見上げている、クリスマスツリー。
予約承り中と書いてある、クリスマスケーキ。
どれを見ても、テンションが上がってくる。