もう一度君に恋をする


今すぐギュッと抱きしめてしまいたくなるけれど、まだ出来ない。


「ううん。
私は雄大を待ってる。
でもね、いつまでもギュッて抱きしめる事が出来ないのは悲しいよ。」

「千尋…。」


目の前に雄大は居るし、手を伸ばせば触れる事だって出来るけど、私の変なプライドがそれを邪魔する。


雄大は私の彼氏じゃない。


恋人同士じゃなければ触れてはいけないなんて決まりはないのに、私が雄大に触れるのは一対一で向き合ってからだと思っている。


雄大の家からの帰り道、近くのバス停まで雄大は送ってくれた。
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