もう一度君に恋をする
雄大に手を引かれて連れて行かれたのは、さっきまで賑わっていた花火大会の河川敷。
ブロック塀に腰を下ろし並んで座る。
「千尋、泣き止んでくれる?」
「………」
雄大は優しく私の頭を撫でてくれた。
本当なら嬉しいはずなのに、今日はちっとも喜べない。
なのに、その手を払いのける事も私には出来ない。
「どこから話そうかな?
今日は学校の友達と一緒に来たんだ。」
「でも、彼女と一緒だったじゃん。」
「うん、でもこっちで偶然会っただけだよ。
俺も彼女も何人かのグループで来てて、みんな知ってる奴らだからじゃあ一緒に見ようって話になっちゃってさ。」