もう一度君に恋をする
「ううん。」
「俺も千尋を愛してた。」
「ありがとう。」
「じゃあ、行くわ。」
雄大はそのまま立ち上がり私に背を向けて歩きだした。
ずっと我慢していた涙で視界がぼやけてしまう。
これで最後なのに…。
雄大の姿をしっかり目に焼き付けていたいのに…。
涙がそれを邪魔する。
小さくなる雄大の背中を見送りながら、涙がとめどなく溢れてくる。
もう会えない。
まだこんなにも雄大が好きなのに、私達はもう会えないんだ。
走って追いかけて、離れたくないって泣き叫ぶ事が出来たらいいのに。
強がりな私は1人でも大丈夫だって、自分に言い聞かせる。