もう一度君に恋をする
「うん、もう吹っ切れたかな。
今は早く大学生になって新しい恋をしたい。」
「そっか。」
さーちゃんは笑顔だった。
私も笑ってみせたけど、そんなのは強がり。
全然吹っ切れてなんかいなかった。
ただ、思い出さないようにって心に鍵をかけていたんだ。
心配かけたくなくて、前を向いているフリをした。
実際は周りの時間はどんどん流れていくけど、私は1人取り残されたように前に進めていない。
本当はすごく寂しい。
強がってばかりいるけど、もうずっと心が折れそうになっていた。
そして私は、雄大でしか埋められない寂しさを他の誰かに求めていく―――