もう一度君に恋をする
そろそろ向かおうと立ち上がって歩き始めた時、突然横から人がぶつかってきた。
「キャッ!」
「わっ!」
ぶつかった衝撃で私はしりもちをついてしまう。
「すいません!
大丈夫ですか?」
「あっ、はい。
大丈夫です。」
差し出された手を掴み立ち上がり、顔をあげると
「えっ…。」
「あっ…。」
声が重なる。
何でここにいるの?
あまりにも驚いて私は声を出す事が出来なかった。
声の代わりに、何故だか涙が溢れてくる。
「千尋…。
久しぶりだな。」
何も変わらずあの頃のように私の名前を呼ぶ声。