もう一度君に恋をする


ずっとずっと心の奥にしまいこんでいた人。


「…雄大。」


私の目の前に立っているのは、紛れもなく雄大だった。


「何で泣いてるんだよ。
久しぶりに会えたんだから笑って。」


ニコッと笑う雄大。


そんな事言われても、驚きすぎて笑えない。


すでに涙で顔がグシャグシャになっている。


「千尋、この大学変えてなかったんだな。」

「うん。雄大も。」

「うん。元気そうで良かった。」


優しく笑う雄大が好きだった。


またその顔を見れるなんて思っていなかった。


本当はまだまだ沢山話をしたかったけれど、バイトの時間が迫っている。
< 175 / 201 >

この作品をシェア

pagetop