もう一度君に恋をする
パイプオルガンの奏でる音楽と共に扉が開き紀香ちゃんが歩いてくる。
その姿を見て何故か涙が溢れてきた。
お兄ちゃんと結婚するのが紀香ちゃんで本当に良かったと思う。
「紀香さん、すごく綺麗だったな。」
「うん。私、泣いちゃったよ。」
「泣き虫だな、千尋は。」
チャペルでの結婚式が終わり披露宴の会場に向かっている時、雄大はそっと私の手を握ってくれた。
「俺達もこのチャペルで式挙げる?」
「それって、プロポーズ?」
「うん、そう。」
シラッと言った雄大に顔を向けてみれば、雄大はいつもの笑顔で私を見ている。
「その前にちゃんと大学卒業して就職してからだね。」
「そうだな。」