もう一度君に恋をする


少しだけ後ろめたい気持ちはあったけど、これなら将太も気付く事はないだろう。


安心している私がいた。


あの日以来、雄大からの連絡はない。


私からもしていない。


そして、土曜日。


私は将太と映画デートの為に街にやってきた。


「チロ〜迷子になるぞ。」


そう言って差し出された将太の手を繋ぐ。


映画のチケットを購入して、ポップコーンやジュースを買う為に列に並んでいた。


「雄大、ポップコーン買おうよ。」


私の耳に聞こえてきた“雄大”と呼ぶ女の人の声。


その言葉に後ろを振り返ると、そこには私の知っている雄大が立っていた。
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