もう一度君に恋をする
気にしないように、気にしないようにと思っていても、背中に耳が付いてるかのように2人の会話が聞こえてくる。
「映画の後はどうする?」
「飯だね。」
「雄大は何食べたい?」
「俺は何でもいいよ。」
「私、パスタがいいな。」
彼女の声が耳に残る。
雄大が彼女と一緒に居る姿なんか見たくなかったし、2人の会話も聞きたくない。
何でこんなにも気にしてしまうんだろうと思うけど、やっぱりそれは雄大と将太の間で揺れ動いているからなのかな。
とにかく今は早くこの場から逃げたくて、私は将太に向かい合う。
「ちょっとごめん。
トイレ行きたくなったからここ頼んでいいかな?」